EggPlantEggが好き

台湾のバンド茄子蛋EggPlantEggのファンです。ボランティアで翻訳しています。ほとんど更新しません。

阿斌​親子のドキュメンタリー番組 「茄子蛋阿斌​ x 阿斌爸 【上車,咱來唱歌】」

f:id:otsuka3:20220301212916j:plain


2020年12月26日に公共電視で放送された阿斌とお父さんのドキュメンタリー番組が先日YouTubeにもアップされました。
 

↓↓動画(約14分)↓↓
茄子蛋阿斌​ x 阿斌爸 【上車,咱來唱歌】《小兒子膠囊時光》 紀實影片正片/導演沈可尚 監製蘇麗媚 (Get In The Car. Let's Sing. / My Little Boy)

youtu.be

 

6組の親子にスポットを当て、計6回にわたって放送されたものです。1話15分枠の番組でした。


動画には中国語と英語で字幕が付いているので読める人にはこの記事も必要ないと思います。中国語も英語も読むのがめんどくさい人、じっくり見る時間がない人向けに要約と感想を書きたいと思います。 

 

窓の外に緑色の美しい自然が見える明るい部屋。 親子の故郷を巡る旅はこの部屋からスタート。

f:id:otsuka3:20210219213317j:image
(番組動画よりスクリーンショットを撮らせていただきました)

 

阿斌(以下斌):昨日の夜ちょっと書いたんだ
お父さん(以下父):歌か?
斌:うん

斌:(台湾語の歌詞を読んでみる)
父さんが生まれた場所から出発して
朝早いけど思ったよりは元気
母さんが生まれた宜蘭に行こう
シートベルトを”くくって”

父:(歌詞を確認するように)
母さんが生まれた宜蘭に行こう・・・
シートベルトは締めるんだ くくるんじゃない
くくるはきつく縛ることだ
ここではこう締めるだけ 意味が違う

斌:台湾語で締めるはどんな字?
父:糸へんに害(縖)、たぶんそれだと思う

斌:とても暑い夏の日には
小さかった頃を思い出す
太陽の下でならアイスを食べることができた
そのほうが気持ちがいいし、肺にもやさしい

父:ここは正しく発音しなければダメだ 「肺にやさしい(顧肺)」
でないと「わざと(故意)」になって意味が変わってしまう

 

ここの会話が私には興味深くて!阿斌は前からよくインタビューなどで話していますが、お父さんの教育方針で小さいころから家庭内では台湾語を使ってきたそうです。おかげで台湾語を覚えることができたので両親にはとても感謝していると。もしかしたらこんな風に教えてもらいながら育ってきたのかなと思い、そんな家庭の様子が垣間見えた気がします。

また、阿斌は小さいころ気管が弱かったので、アイスは屋外で太陽を浴びながら食べさせられたそうです。気管が冷えすぎないように。だから肺をいたわるような表現が出てきたんですね。

 

場所が変わり、二人が向かい合って何か飲んでいます。

f:id:otsuka3:20210219213539j:image
(番組動画よりスクリーンショットを撮らせていただきました)

 
奥の透明のグラスの中身、なんでしょうか。阿斌「苦い~」って。

ここではお父さんの仕事についての話。保護観察の仕事だったそう。なぜその仕事を選んだのか、どんなことをする仕事なのか、息子は初めて父に質問。今まで聞いたことなかったそうです。音楽を仕事にした息子に「頑張りすぎて体壊すなよ」と言う父、「大丈夫」と返す息子。そして父は安心したように小さくうなずきました。

 

車はお父さんがかつて仕事で通った道を走って行きました。

f:id:otsuka3:20210219213554j:image
(番組動画よりスクリーンショットを撮らせていただきました)

 

 夜になり、親子は静かな屋外で将棋を指しながら話しています。

f:id:otsuka3:20210219213617j:image
(番組動画よりスクリーンショットを撮らせていただきました)

 

斌:もし父さんが何か書くとしたらどんな歌を書きたい?

父:書くなら家族とか人を励ますようなのを書くだろうな
でも俺には書けない
その光景が浮かんでも文字で表せない
俺には難しいよ
四文字で揃えるか、五文字か七文字か、長くするか短くするか

斌:そんなの考えなくていいよ 四文字五文字なんて
韻を踏みながら表現したいことを書くんだ
俺のスマホの中はそんなのばかりだよ 全部

父:例えば…プールに二人の影
斌:うん、いい!
父:こんな感じか?


さっきは父が息子に言葉を教えていたのに、今度は息子が父に作詞を教えているではないですか!

 

このあと阿斌のおじいちゃんの話に。すごく親子らしい会話でした。

 

父:じいちゃんのことを思い返してみると
一番覚えてるのは通夜だ
通夜のときお前が帰ってきて、じいちゃんの棺の上で泣いた
俺は息子なのに、そうできなかった

父:じいちゃんが脳をやられて倒れたあの年
俺たち(※阿斌の両親)はじいちゃんに付きっきりで
リハビリだの、仕事が終わってから行ってた

斌:姉ちゃんは大学だろ、学校が終わったら…
父:家に帰っても誰もいない
家があってもないのと同じだとお前は言った
それはすまなかったと思ってる


斌:いや 今思えばあの時
あんな風に言ったのは俺が幼稚だった
でも俺から見ると
父さんにはいろいろよくしてもらったと思う
だって俺グレなかったし
覚えてる?高三の時、俺すこし反抗的で
いつも先生から母さんに電話がかかってきてた
それから歌っていうか、なんだったか、先生が聴いたらカチンとくるようなのを書いた
なんて書いたっけ?
♪先生は味方じゃない~友達は味方だけど〜

斌:とにかく先生は不機嫌になって母さんに電話してきた

そのあと家に帰ったら母さんに言われたよ
「お願いよ、もうやめて、もうすぐ卒業なんだから」って
あのときの父さん、俺があの歌で怒られたから
「お前が書きたいものを書け、大丈夫だ」って励ましてくれたんだと思ってる
それは俺にとってはすごく大事なことだよ
作りたかったら作っていいって父さんが教えてくれたんだ

 

書きたいものを書く。
作りたいものを作っていい。
この言葉がずっと阿斌の音楽作りを支えてるのかなと思います。

 

屋外に一人残った阿斌。
番組の最初にお父さんに聞いてもらっていた歌詞にメロディーをつけて歌っています。

f:id:otsuka3:20210219213654j:image
(番組動画よりスクリーンショットを撮らせていただきました)

 

阿斌のお父さんは楽しいときも悲しいときも感情をそのまま表に出さないそうです。だからおじいちゃんが亡くなったときも泣けなかったんでしょうね。阿斌は感情表現を抑えて生きるのは苦しいから嫌だけど、自分もお父さんと同じくらいの年齢になったら同じタイプの人間になるんだろうなって。

 

親子の心温まるエピソードで終わるのかと思ったら、最後にオチ(?)が。
阿斌が続けて一人で話しています。

 

斌:父さんは恋愛とかについては教えてくれなかった
なーんにも
でもその辺俺は大丈夫
父さんよりはよくできてるから

 

ちょっと、もう、笑いました。
お父さん、不在のところで言われちゃってるよって。

 

冗談はともかく、これまではミュージシャンとしての姿しか見たことがなかったので、その人生の裏側が見ることができて非常におもしろかったです。約14分の短い番組でしたがたくさんのことを知ることができました。これで私もEggPlantEggの音楽についてもう少し理解できるといいなと思います。

 

f:id:otsuka3:20210219213955j:image
(番組動画よりスクリーンショットを撮らせていただきました)

 

興味があったら、お時間あったら、ぜひ見てみてください!
↓↓↓
茄子蛋阿斌​ x 阿斌爸 【上車,咱來唱歌】《小兒子膠囊時光》 紀實影片正片/導演沈可尚 監製蘇麗媚

 

2022年3月1日更新

 

 

 

Copyright ©EggPlantEggが好き All rights reserved.

プライバシーポリシー